[ 二上山の初夏]

ウラジロノキ、マルバアオダモ、ネジキなどの白い花がめだつ季節です。





1 アキグミ 2 カマツカ 3 ウスノキ
4 コバノガマズミ 5 ツクバネウツギ 6 カナメモチ
7 オカウコギ 8 エゴノキ 9 テイカカズラ
10 ソヨゴ 11 ガンピ 12 ネジキ
13 ナナミノキ 14 コマユミ 15 ツリバナ
16 アワブキ 17 ハナイカダ 18 クマノミズキ
19 ナツハゼ 20 イワガラミ 21 *
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1 アキグミ

写真は、5月2日に撮影。落葉樹林の日当たりのよい場所に見られる。高さ2m前後の落葉低木。4月から5月に約7mmの白い花が葉のつけねに2、3個集まって咲く。筒になった部分はがくで、花弁はない。葉は互生し長さ4cmから8cmで、裏は白く、葉のふちにはぎざぎざはない。秋に甘酸っぱい味の7、8mmの赤い実を着ける。グミというなまえは、お菓子のグミとは関係なくて、日本に古くからあるなまえだが、確かなことは分からない。秋に実ができることから「秋グミ」という。

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2 カマツカ

写真は、5月2日に撮影。落葉樹林の日当たりの良い山道や斜面で見られる高さ約2mの落葉低木。4月から5月に約1cmの白い花がたくさん集まって咲く。葉は、互生で長さ4cmから10cmで長い円形、先はとがる。葉のふちにはのこぎりのような小さなぎざぎざがたくさんある。なまえは、この木から鎌の柄をつくったことから「鎌柄」という。

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3 ウスノキ

写真は、5月3日に撮影。落葉樹林やスギ・ヒノキ植林の斜面や尾根に見られる高さ50cmから1mの落葉低木。4月から5月に約6mmのうすい黄緑色に赤みをおびる花を枝先に1、2個つける。葉は互生し、長さ2cmから4cmで長い楕円形、細かいぎざぎざがあり先はとがる。実は約8mmで赤く熟し角ばる、また、食べられる。なまえは、実の形がもちつきの臼に似ていることから「臼の木」という。

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4 コバノガマズミ

写真は、5月3日に撮影。落葉樹林の斜面や尾根など日の当たるところで見られる2mから4mになる落葉低木。4月から5月に5mmほどの白色の花をたくさん枝の先につける。赤色の実は長い柄の先にたくさんつけて目立つ。実は食べられる。葉は対生し、長さ4cmから8cmですこし長い卵型で先は細くなる。葉のふちにはぎざぎざがある。スイカズラ科だったが今はレンプクソウ科に入る。なまえは、「コバノ」は「小葉の」だが、「ガマ」は中国名から「ズミ」は「酸実」からなどの説があるがはっきりしない。

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5 ツクバネウツギ

写真は、5月4日に撮影。落葉樹林の斜面や尾根など日の当たるところで見られる1mから2mの落葉低木。4月から6月に2cmから3cmの白色の花が枝の先に2つ咲く。花の付け根に緑色から赤紫色のがくが花が開いたように着いているのがよく目立つ。葉は対生し、長さ数cmでの楕円形で先は少しずつ細くなる。葉のふちには細かいぎざぎざがある。なまえは、がくが正月の羽つぎの羽、つまり、「つくばね」に似ているウツギのなかまから「つくばねウツギ」という。ウツギは茎の中がストローように「空」つまり、「うつ」になっている。

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6 カナメモチ

写真は、5月6日に撮影。落葉樹林の斜面や山道に見られる高さ数mの常緑低木。5月から6月に1cmほどの白色の花がたくさん集まって咲く。葉は互生し、長さ6cmから10cmの楕円形、細かいぎざぎざがあり、先とがる。若葉は赤いことからアカメモチともいう。葉はバリバリした感触で表面はつやがある。実は熟すと赤くなりめだつ。なまえは、堅い材木を扇の要に使ったこととモチノキに似ていることから「かなめもち」となった説がある。

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7 オカウコギ

写真は、5月14日に撮影。スギ・ヒノキ植林の斜面や尾根で見られる1m前後の雌雄異株の落葉低木。5月下旬から6月に約2mmの黄緑色の花が数cmの長い花柄の先に数個集まって咲く。葉は、互生で手のひらの形、長さ3cm〜5cmで、葉のふちには大きなぎざぎざがある。ウコギのなかまの新芽は食用になる。  なまえは、「丘」と中国の植物名「五加」の木から由来する。二上山では、谷沿いにも見られるが、山の尾根道や道沿いの斜面のような丘に多い。

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8 エゴノキ

写真は、5月23日に撮影。落葉樹林や山のふもとで見られる落葉性の小高木で数mになる。5月下旬から6月に約2.5mの白色の花が下向きに垂れ下がるように咲く。葉は、互生で長さ約8cmで、葉のふちにはぎざぎざはほとんどなく、先はとがる。8月から9月に1cmほどの白っぽい小さなたまごのような実を垂れ下がるようにつける。実にはサポニンが含まれ、その毒性を使って魚をとったり、せっけんのかわりに使ったりした。 なまえは、実の味がエグイから「エゴの木」という。

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9 テイカカズラ

落葉樹林やスギ・ヒノキ植林で見られる。写真は、5月23日に撮影。フジのようにツルになって隣接する樹木を上る。5月から6月に直径約2cmの白い花が咲く。花にはよい香りがある。葉は対生し長さ3cmから7cmで、小さな葉のふちにはぎざぎざはなく、裏には毛がない。実は細長く10cmから20cmあり、中から2、3cmの白い毛がある種子が風に乗って飛ぶ。なまえは、藤原定家にちなんで「定家蔓」という。

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10 ソヨゴ

写真は、5月26日に撮影。落葉樹林の斜面や尾根など日の当たるところで見られる約3mになる落葉小高木。雌と雄の木があり、5月から6月に雄花は7mmほどの白色の花が約2cmの花柄の先に数個咲く。きれいな赤色の実は長い柄の先につけて目立つ。葉は互生し、長さ数cmでやや光沢があり、楕円形で先は細くなる。葉のふちには細かいぎざぎざはない。なまえは、葉が風にそよいで音がすることから「そよご」という。枝を手で持って振ってみるとそよぐような音がさわさわとする。

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11 ガンピ

写真は、5月29日に撮影。落葉樹林斜面や尾根に見られる高さ2mほどの落葉小低木。5月から6月に約8mmの黄色の花が枝先に数個集まってつける。葉は互生し、長さ2cmから6cmの長い卵形、細かいぎざぎざはなく先はとがる。古くから和紙の原料として使われる。なまえは、「雁皮」と漢字で書くが、昔呼ばれていた「かにひ」が変化したものと言われる。

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12 ネジキ

写真は、6月1日に撮影。落葉樹林の尾根や斜面に見られる高さ1mから7mの落葉低木。5月から6月に7、8mmの白色の花の列を枝のわきにつける。葉は長さ4cmから10cmの長い卵型で互生する。葉のぎざぎざはなく先はとがる。なまえは、幹がねじれることから「ねじ木」という。 アセビに近縁で、ネジキも牛や馬には有毒といわれているので注意が要る。

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13 ナナミノキ

写真は、6月1日に撮影。落葉樹林の斜面に見られる高さ10mのまでなる常緑高木。雄と雌の木がある。6月に約5mmのうすい紫色の花が束になってたくさんつく。葉は互生し、長さ6cmから12cmで楕円形、波のようなぎざぎざがあり先はとがる。葉の表面にはつやがある。丸い実は6mmほどであざやかな赤色に熟しめだつ。なまえは、美しい実がたくさんなることを「七実」と表現したという説がある。

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14 コマユミ

写真は、5月5日に撮影。落葉樹林の尾根や斜面に見られる高さ1mから2mの落葉低木。5月から6月に5から8mmの黄緑色の花を葉の脇から出た葉柄の先にたくさんつける。葉は長さ2cmから7cmの卵型で細かいぎざぎざがあり、先はとがる。枝に平行にコルク質の平たい板がついたものをニシキギという。実が割れて見える種子は赤くて美しいが毒がある。実をすりつぶしてアタマジラミの駆除に使った。なまえは小さなマユミで、マユミはこの木の材で弓をつくったことから由来して「小真弓」という。

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15 ツリバナ

写真は、5月6日に撮影。落葉樹林やスギ、ヒノキ植林の尾根や斜面に見られる高さ1mから2mの落葉低木。5月から6月に8mmほどの黄緑色に紫色を帯びた花を葉の脇から出た長くて釣り下がった葉柄の先にたくさんつける。マユミやニシキギの花びらが4つ分かれるのに対して、花びらが5つ分かれる。葉は長さ5cmから10cmの長い楕円形で細かいぎざぎざがあり、先はとがる。実が割れて見える種子は赤くて美しい。なまえは、花が長い花柄で釣り下がって咲くので「釣り花」という。

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16 アワブキ

写真は、5月6日に撮影。落葉樹林斜面や尾根に見られる高さ10mほどにまでなる落葉高木。6月に約3mmのうすい黄色の花が枝先にたくさん集まってつける。葉は互生し、長さ10cmから20cmの長い楕円形、細かいぎざぎざがあり先はとがる。実は丸く約4mmで赤く熟す。なまえは、枝を燃やすと切り口から白い泡が吹きだすことから「泡吹き」という。アオバセセリやスミナガシの幼虫はこの木の葉を食べる。

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17 ハナイカダ

写真は、5月5日に撮影。落葉樹林やスギ・ヒノキ植林の斜面に見られる高さ2mほどの落葉低木。雄と雌の木がある。5月から6月に約5mmの黄緑色の花を葉の上に雄花は数個、雌花は1個つける。葉は互生し、長さ4cmから12cmで楕円形、波のようなぎざぎざがあり先はとがる。実は1cmほどで黒く熟し丸く、鳥が食べる。なまえは、花が葉の上に乗るように咲くようすを筏に乗った花に例えて「花筏」という。若葉は食べられる。

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18 クマノミスキ

写真は、5月6日に撮影。落葉樹林の斜面で見られる10mになるの落葉高木。6月から7月に1cmに至らない白色の花を枝先にたくさんつける。花びらは4枚。実は5mmほどで熟すと黒紫色になる。葉は対生し楕円形で、長さは大きいもので約10cmになり、葉のふちにはぎざぎざはない。葉の裏は白い。なまえは、三重県の熊野のおみずきから「熊野みずき」という。ミズキは枝を折ると樹液を水のようにしたたることから由来する。ミズキの枝は互生、クマノミズキは対生。

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19 ナツハゼ

写真は、5月23日に撮影。落葉樹林の尾根や斜面に見られる高さ1mから3mの落葉低木。5月から6月に7、8mmの赤みがかったうすい黄緑色の花の列を新しく出た枝の先につける。葉は長さ4cmから10cmの長い卵型でぎざぎざはなく先はとがる。なまえは、夏に葉がハゼの木のように赤くなることから「夏ハゼ」という。 ナツハゼの実は食べることができる。味は酸っぱいブルーベリーにそっくり。

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20 イワガラミ

写真は、5月29日に撮影。スギ・ヒノキ植林や落葉樹林の岩や木などにからんで見られるつる性の落葉樹。5月から7月に2cmから3cmのがくが白い花びらのようになった装飾花と数mmの小さな花が集まって咲く。葉は対生し先のとがった卵形、縁にぎざぎざがあるものとないものがあり、長さ4cmから16cm。なまえは、岩にからんで見られることから「岩がらみ」という。

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